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『未来の国のパイプ』(詩)

 穴があったら入りたい 恥ずかしい時に使う言葉

 だけど少女の場合は違う 現実に絶望した時に使う台詞

 穴とはつまり墓穴で そこに入りたいとは 死にたいということ

 少女は社会から捨てられた 賑やかな街から のどかな村から弾かれた

 少女は荒地に立っている 全方向になにもない あるのは空虚

 立っていられなくなったから 少女は膝をつき 手をついた

 硬い地面を掘っていく 爪が剥がれて血が溢れ 皮膚が削れて骨が浮き彫り

 少女が地面を掘る理由 それは穴に入りたいから

 やがて両手がなにかに触れる 金属製のそれは 細いパイプだった

 パイプは地面を走ってる 前方 遥かな先まで続いてる

 少女はパイプに耳を当てた 中から聞き慣れた声が響く

 なにモタモタしているの? 早くこっちに来なさいよ

 自分の声だった それも大人になった自己の声

 少女はパイプの意味を知る これは未来の国に繋がってる

 少女の終焉は今ではない 少女にはまだ未来がある

 気づけばパイプからの声は すでに聞こえなくなっていた

 未来の国はもう終わり 再び現実やってくる

 今と未来を繋ぐパイプ 少女はそれに沿って歩き出す

 不安はなかった

 その手には勇気だけが握られていた
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『童話の国のグリム』(詩)

 少女は世界を創り出す

 大きくなくて小さな世界 頭の中に創り出す

 心の楽園 童話の国

 少女はそこのお姫様 その他大勢ではなく 特別な存在

 だから少女は現実を嫌い たびたび童話の国へ行く

 このまま帰りたくないと 童話の国で何日も 眠って起きて眠って起きて

 ある日少女の住んでいる お城に一人の少年が 訪ねてきたよ不思議なお客

 名前はグリム 麗しい少年 少女と同じで世界を創る者

 グリムは姫の前で膝をつき 言葉を放った静かに確かに

 童話の国から出なければ 二度と現実に帰れません

 嫌だと少女 グリムはなおも口を開く

 たまに来るから童話の国は 楽しいのですおもしろいのです

 現実を離れてしまっては 童話の国などつまらない

 そもそも童話の国は現実の あなたが創り出した世界です 現実のあなたが消えたなら この国も壊れて死の世界

 そうなっては手遅れで 私のように童話の国に 囚われてしまいます

 グリムは悲しげに言い残し お城を去った どこかに行った

 少女はグリムの言葉を受けて 姫をやめて童話の国を 離れることを決意した

 童話の国はもう終わり 再び現実やってくる

 少女は現実世界に向き合って 生きていこうと決めた誓った

 けれどたまに童話の国に行き グリムと語ってそろって笑った

『光の国のアンプ』(詩)

 現実世界を離れ 少女はよく空想する

 全ては光から生まれた

 始まりを告げる光が なにもない空間を照らし出す

 光は分かれて放出され やがて銀河の形を成す

 銀河はさらに細くちぎれ 星の姿になっていく

 そうしてできた星の一つ それが少女の住む地球

 少女やその他の生命は 地球から生み落とされた

 光の国で創られた星 その星から誕生した少女

 とすれば少女も光の一粒 輝く権利を持たされた 無二の光

 少女は空想をやめた それが空想ではないと知ったから

 光の国はもう終わり 再び現実やってくる

 光の国のアンプによって 紡ぎ出された光の少女

 周囲の星に負けないように 今日も明日も光り輝く

『鎖の国のダンス』(詩)

 少女は鎖に縛られている あらゆる規則に あらゆる感情に

 鎖はまるで重力のように 少女の体を押さえつける

 鎖はまるで怨恨のように 少女の手足を縛り上げる

 鎖はまるで黒煙のように 少女の息を詰まらせる

 少女に自由は訪れない 少女は出口に行けやしない

 いくら少女が足掻いても 鎖はギャリギャリ騒ぐだけ

 どれだけ少女が喚いても 鎖はジャラジャラ嗤うだけ

 どんなに少女が呻いても 鎖はギチギチ絞めるだけ

 けれど

 それらは全て幻で 少女が創った幻想で

 鎖に縛られている 少女がそう思っていただけで

 あらゆる規則を あらゆる感情を 少女が重荷に感じていただけで

 大したことなどないのに 少女が思い詰めていただけで それに気づけば 迷いとか悩みとか それらはどこかに行ってしまう

 息を吸って吐いてみよう 胸は大きく膨らんで 鎖がないと教えてくれる

 手足を自由に伸ばしてみよう 少女を縛るものなんて どこにもないと教えてくれる

 少女に鎖はもう見えない

 鎖の国はもう終わり 再び現実 やってくる

 解き放たれた肉体と 自由を知った精神で 少女はステップを踏む

 身軽に気楽に 不馴れなダンスを踊り出す

 縛るものなど もうなにもない

『鏡の国のパルス』(詩)

 そこにいるあなたは誰?

 切り取られた長方形の中にいるあなたは 私にそっくりの顔をしたあなたは誰?

 なぜそんなに恐い顔をしているの? 怒っているの?

 笑えばいいのに

 笑えない私が言うのも変だけど

 右にも左にも 上にも下にも 私そっくりの少女が現れた

 少女はみんな怒ってる 私に似た顔を 怒りに染めている

 なに? 私になにが言いたいの?

 答えは返って来ない 代わりに 少女たちの胸のあたりが透けてきた

 中に見えるのは光のライン 規則正しく揺れる光線

 それはなに? と私は指を差す

 相手も私を指差した 私の胸を指し示す

 見下ろす私の左胸 そこにもあった 光のライン

 光はなにかに合わせて揺れ動く 規則正しく上下する

 しばらく考え 理解する これは私の心拍だ

 心臓が声を上げるたび 生きると主張をするごとに 光のラインは揺れ動く

 正面の少女が口を開く あなたは生きている

 右の少女が言葉を紡ぐ あなたは生きている

 左の 後ろの 上 下の 少女が私にこう告げる あなたは生きている

 ようやくわかった 周りの少女は私自身だ 私が鏡に映ってる

 それならつまり 私が私に言っていた あなたは生きていると 私は生きていると 主張していた

 そうか私は生きている 私は生きていたいんだ

 悲しくて辛いのは 苦しくて痛いのは 私が生きていたいから

 それが事実で 真実だ

 私は笑った 鏡の向こうの私も同じく笑う

 周りの少女が消えていく 鏡が砕けてなくなった

 鏡の国はもう終わり 再び現実 やってくる

 夜景 見下ろせる ビルの上 私は独りで立っていた

 私はパルスを放ってみせた

 生きると告げる 胸の鼓動を

『不思議の国のワルツ』(詩)

 独りぼっちは寂しいな

 少女は夜空に息を吐く

 不思議の国に招待しよう

 濃紺の空から声が降る

 さぁ踊ろうか

 三日月 笑ってそう誘う

 踊れ踊れと星たちが 夜空を光で照らし出す

 ええ踊りましょう

 少女は 笑って手を伸ばす

 唄う唄うと夜の風 伴奏 こちらに任せとけ

 ドレスのスカート ふわりと舞って 少女は星空のステージへ

 月も位置を少し下げ 少女と同じ舞台に立つ

 三日月 最初に回ってみせる 少女も真似してくるりと回る

 見ているだけじゃ物足りない 星や夜風も踊り出す 二人の真似して踊り出す

 今夜は空が明るいな みんなが光を放ってる

 中でも一番光ってる 少女が一等笑ってる

 少女はもはや太陽だ 闇夜を切り裂く太陽だ

 いつしか夜が過ぎ去って 月や星たちは消えちゃった

 不思議の国はもう終わり 再び現実 やってくる

 少女は独り 取り残される 朝日に照らされ 大地の上に

 少女はワルツを踊ってみせた

 寂しい気持ちは 弾けて消えた
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