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掲示板!(8月13日・追記)(この記事は常にトップです)

 ゆない。に復活に際してコメントを下さった方々、本当にありがとうございます!!
 今回は詩を二つUPします!!
ーーーーーーーーーー
 どんな記事にでも、コメントや拍手をいただけると、ゆない。は感激です! 過去の詩とかも読んでみてくださいませ!
ーーーーーーーーーー
 長編の記事の一つ一つはだいたい場面転換に応じて分かれています。混乱しないように読んでくださいませw
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 まるい色さんのブログへ行ってみてください!おもしろい作品がありますから! リンクから行けます!
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 ↑ここは、掲示板です!
 掲示板とは、ゆない。の現在の状況や、お知らせその他そのときの気分で書いたものを載せる場所にしたいと思います!
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トップページ(これはトップページですので、これより下の記事が最新です)

 いつも来てくださる方、初めての方、訪問ありがとうございます
 このブログでは、ゆない。が書いたライトノベル小説雑記を掲載しています。

 今のところの作品は以下のとおりです。この中で気になる作品がありましたら、お手数ですがカテゴリからそこに飛んでください。
 あ、そんな方はいないとおもいますが、掲載作品のコピー、無断転載は禁止しています。

・ライトノベル(長編)
1、『SKY GARDEN』
 ファンタジー、ギャグ、バトル。RPGが好きな方にはオススメです。完結しています。ゲーム大好きな男女三人は、ある日不思議な世界に迷い込んで……。
2、『カギビト』
 学園が舞台の日常ミステリ。多少恋愛もあり。人間の心の闇に立ち向かう人たちの話。ヒロインの周りで奇妙なことが起こり始めて……。
 作中にゆない。が作った曲が出てきますw
3、『復讐の幻想曲(ファンタジア)』
 現在連載中。こてこてのファンタジー&バトルです。仲間との絆、過去を乗り越えて未来を切り開く、それらがテーマです。ある王国のお城が盗賊に襲われて……。

・小説(短編)
 短編はオチのある話ばかりです。ライトノベルとは雰囲気を変えています。
1、『Peaceful Man』
 平和を愛する男の話。文量は短め。イメージとしては星新一(あくまでイメージw)です。
2、『上下』
 テストの点数を上げることに夢中の青年の本心とは? それは毎晩の夢と関係していて……。
3、『偽り』
 本の中での殺人事件が好きな女子生徒と、本好きな男子生徒の出会い。二人の関係はどうなって行くのか?
4、『欲望の正体』
 連続殺人を犯す青年の物語。そんな青年が迎える末路とは? 短編の中では文量が多めです。
5、『声ガ聞コエル』
 テレパシーが使える男子学生が経験する、二つのストーリー。後編は『正』と『負』、読者が選んだほうによって結末が変わります。
6、『エレベーター狂詩曲(ラプソディー)』
 このブログでは珍しい本格ギャグです。まるい色さんとの共作です。破天荒なエレベーターガール須藤(すどう)と単なる客である桑田(くわた)が出会ったとき、なにかが起こる……のか?

・小説(ショートショート)
 とっても短いお話で、やはりオチがあります。入門にオススメです。
1、『ネオンの幻』
 大人になり、久し振りに再会した同級生は……。
2、『LOST RAIN』
 ドシャ降りの雨。20年落ちの愛車に乗っている達也(たつや)に、過去の記憶がよみがえる。その過去とは……?

・小説(四コマ小説)
 ショートショートよりもさらに短い作品です。お手軽に読めるので、オススメです!
1、『A君の境遇』
 いじめられっこのA君。彼が今日も登校すると……。
2、『離婚騒動』
 旦那の浮気の証拠を見つけた奥さんが、旦那を糾弾すると……。
3、『惨劇の瞬間』
 夕刻。下校中の男の子に、暴走車が迫るっ! これは、ほとんどまるい色さんの作品だったりしますw
4、『サンタさん』
 クリスマスに合わせて書いた作品です。恋愛、恐怖、ギャグの3バージョンがあります。
5、『あと一週間』
 余命一週間と言われた男は……。
6、『一閃(ともしび)』
 初の四重奏小説です! ラジオに聞き耳を立てていると……。
7、『遺書』
 少年が兄の部屋で『遺書』を発見し……。
8、『変な客』
 花屋で変な注文をする男の真意とはいったい?
9、『わがまま彼女』
 とってもわがままな彼女は……。
10、『彼が4(よん)でいる』
 四重奏小説の第二回です! 毎日、明け方頃に見る悪夢。それはいったい……?
11、『遺書 ―― ANOTHER STORY』
 まるい色さんの作品です。ゆない。の作品である『遺書』の外伝となっております。


・詩
 今のところ六シリーズ(『街シリーズ』、『不思議の国シリーズ』、『色シリーズ』、『愛シリーズ』、『宇宙シリーズ』、『水シリーズ』)がありますが、他にも増やす予定です。シリーズで繋がっているわけではありませんので、好きな作品を読んでください。

・ゆない。のブログロード
 ゆない。がブログをやることになったきっかけや、当ブログの裏話的なことを書いています。

・作品解説
 その名のとおり作品の解説をしています。主に詩の説明をしています。

・オススメ邦楽ロック
 小説のブログでなぜかオススメバンドを紹介していますw 邦楽ロックが好きな方はどうぞご覧ください。

・ゆない。のすべりそうな話
 ゆない。のおもしろ体験を書いています。『おもしろ体験』とか言ってますが、笑えるかどうかは保証しませんw

 以上で当ブログの説明は終わりです。ぜひぜひ、どれかの作品を読んでいってください。
 拍手コメントがあるだけで、幸せになれるゆない。ですw

『赤』



荒れ狂う炎の色



流れ出す血の色



我々の怒りの色

赤は攻撃的で 恐怖される色

けれども赤は

文明をもたらした灯火の色



身体を巡る活力の色



我々のたぎる心の色

赤は神秘的で 畏怖される色

青い星から溢れ出た赤き生命

それが我々だ

『星を見ている』

僕らは星を見ている

誰しも星を見上げてる

夜空にある星じゃない 僕らの心の中にある星だ

星とは夢

星とは希望

星とは光

自分の心にダイブしよう そして見上げよう

そこには星がある

青い星だ 眩しい光だ

目を凝らせ 見えるはずだ

青い星に立つのは誰?

君だ

星とは夢

星とは希望

星とは光

そんな星に立つのは 未来の君

だから

僕らは星を見ている

ほら 今日も

未来の君を見据えてる 必ずあの星に辿り着くと

だから

僕らは星を見ている

ほら 今日も

きっと 明日も

『始まりはいつも』(詩)

あきらめた

なにかを

なにをあきらめたかは 思い出したくもない

終わった

なにかが

なにが終わったのか 考えるのも嫌だ

これで終わり?

そう終わり

……終わり?

なにが?

ここが 今のこの場所が終わりなら

どうして前に道がある?

まだ続いている 道は続いている

遠過ぎて先が見えない

この道の先にはなにがある?

知りたい

ならば前に進もう 始まりはいつも終わりとともにやってくる

なにかが終われば なにかが始まる

終わりなんて存在しない

あるのは常に始まりだ

右足が前に出ていた

左足が右足を追い越した

競争だ どっちが勝つかな?

僕は歩き出していた

『復讐の幻想曲(ファンタジア)』8(ライトノベル)


 ルーン城の四層目。国王の部屋前。
「国王! アルタイル国王!」
 一人の兵士が慌てた様子で、扉を叩いていた。
「おい、貴様っ!」
 その兵士の横、廊下の奥から怒鳴り声が響いた。兵士はそちらに目を向け、すかさず敬礼をした。
「お疲れ様です、グライン将軍!」
 グライン将軍と呼ばれたガタイのいい男はオールバックの髪を一度かき上げてから、兵士に歩み寄った。大きな手で、兵士の顔面を掴む。
「貴様、時間を考えろ。国王は就寝中だ。それに、国王は今ご病気なのだぞ? 貴様のせいで国王になにかあったらどうするつもりだ?」
 左眉から眉間、右頬へと走る傷跡のついた顔を、兵士に近づけるグライン将軍。その両眼は凶悪につり上がっていた。
「……す、すひまへん」
 震えながら兵士が謝罪の言葉を口にすると、グライン将軍はようやく手を離した。兵士の頭にはくっきりと赤い痕がついていた。
「だいたいな、いつも言っているだろう。報告は、国王に伝える前にまず私にしろと」
「は、はい! すみませんでしたっ」
「で、なんだというのだ? 先程の盗賊団のことがなにかわかったのか?」
「いえ……そんなことより大変なんです。姫が……スピカ姫がいません!」
「なんだとっ……?」
 グライン将軍はここが国王の部屋の前だということを思い出し、声を潜める。
「……貴様、それは本当か?」
「はい。親衛隊の秋実円火が言っていましたのでたしかかと……」
「秋実円火……ああ、あの姫のお守りか。……ふむ、わかった。詳しい話が聞きたい。とりあえず移動するぞ、こっちに来い」
 黒いマントを翻らせ、グライン将軍は歩き出した。

『復讐の幻想曲(ファンタジア)』7(ライトノベル)


第一章、姫への賛美歌(ヒム)
 ケンイチと一緒に落下した女の子、スピカは目を覚ました。辺りを見渡す。ここはどうやら森のようだ。夜の闇により真っ黒になった木々が、ガサガサと揺れている。
「……ああ、やっと起きましたか」
「ひゃうっ……?」
 下からケンイチの声がし、続いて大地が動いた。
 スピカが下を見ると、地面に仰向けになっているケンイチがいた。大地だと思っていたのはケンイチだったのだ。
「ごめんなさいっ」
 スピカは慌てて体をどかした。
 それでもケンイチは動かない。仰向けのまま、じっとしている。
「あの……盗賊さん?」
 不審に思ってスピカは尋ねた。
「大丈夫、あなたのせいじゃありませんよ。着地の際に力を使い過ぎて『霊泉(ファウンテン)』がなくなっただけです。それに、あなたが長い間気絶してくれてたおかげで、もうすぐ回復しますよ」
「……よかったです」
 スピカは胸を撫で下ろした。その後、ちょこんと首を傾げる。金色の髪がフワリと舞った。
「『ふぁうんてん』ってなんですか?」
 はぁ、とケンイチが小さくため息を漏らした。
「精霊(フェアリー)の力や、精霊により『調律師』が得た力のことですよ」
 ポンと手を叩くスピカ。
「なるほど、まほーの源ですね?」
「いや……魔法ではありませんよ……。いいですか、この世の全てのものには精霊が宿っているんです。精霊は火、水、地、雷、風、光の六種類が存在します。人はこの精霊の力を……」
 喋るケンイチの顔の前に、スピカは手を出した。
「それくらい知ってます。精霊の詩(うた)が聞こえる人のことを『霊聴者(リスナー)』、特定の精霊の詩を調律し、自身の力として使える人のことを『調律師』と呼ぶんですよね? 人々はこの精霊の力を借りて、日々生活してるんです。ちゃんと知ってますよ」
 ケンイチがわずかに目を見開いた。表情の変化は少しだが、驚いているようだ。
「知ってたんですか。……ですが、それならなぜ魔法なんて呼び方をするんです?」
 顎に人差し指を当てるスピカ。悪戯っぽく笑う。
「だって、まほーみたいじゃないですか」
「……あ、そうですか……」
 呟いてから、ケンイチは立ち上がった。周囲をグルッと見渡し、歩き出す。慌ててスピカもあとを追った。
「……これからどうするんですか?」
「とにかくここから離れましょう。この森は魔物が出ますから」
「ま、魔物ぉっ?」
 悲鳴を上げ、スピカはケンイチの腕に抱きついた。小走りに移動していく二人。
 気まずそうな顔をしているケンイチは、正面を向いたまま喋る。
「……ところで、そろそろ名前ぐらい教えてくれてもいいんじゃないですか、スピカ姫?」
 警戒のため辺りに目を配していたスピカは、ケンイチに顔を戻した。
「そうでした。まだお互い名前も名乗ってなかったんですよね」
 微笑してから一転、真面目な顔になるスピカ。
「聞いて驚かないで下さいよ? 実はわたし、ルーン王国の姫、ルーン・ウィン・スピカなんです! ……ってあれ? 『スピカ姫』?」
 目をパチクリしているスピカに、ケンイチが一瞬だけ視線を送った。
「なんとなく察しは……というより確信してました。あなたがスピカ姫だってことは」
「な、なんでわかったんですかぁ? わたし、あまり公の場に出たことないんですけど……」
「秋実さんが言ってたんですよ。水色ドレスを着たそれはそれは可愛い人が姫だと」
 ボッと顔を赤くするスピカ。雪のように白かった肌を、淡いピンクに染めた。
「も、もう、まどかのバカぁ~……」
 スピカは呻いてから、ケンイチの方を向く。
「それで……えと、盗賊さんの名前は?」
 一瞬だけ目を細めるケンイチ。
「ボクは……ケンイチと言います」
「けんいち? 変わった名前ですね。東の国の人ですか?」
 東の国とは、ルーン王国と東側で国境を接している国だ。ジパンと呼ばれるその国は、ルーン王国と良好な関係を築いている。東の国出身の者は、髪や瞳の色が黒いのが特徴だ。
「……まぁ、そんなとこです」
「そうですか。まどかと一緒ですね。まどかはトーキ出身らしいですよ。けんいちさんはどこ出身なんですか?」
 ケンイチが足を止めた。伴い、スピカも停止しようとしたが、前に倒れそうになる。
「今夜はここで野宿しましょう」
 スピカを支えてやりながら、ケンイチが言った。
「の、野宿っ? 魔物がいるのに?」
「はい。どうやら森の中心付近に落下したみたいで、村や街に出るまでには時間がかかります。寝ないで過ごすわけにはいきません。ここに泊まりましょう」
「あぅぅ……」
 スピカは黒い森の奥を、目を凝らして見てみる。暗闇の中をなにかが動いたように見えた。
「きゃあ!」
 急いでケンイチの後ろに隠れた。ケンイチはスピカと同じ方を窺い、短剣を取り出した。
「『ガルライガー』ですね。かなり凶暴ですが安心して下さい。襲ってきてもボクが倒します」
「倒すって……殺しちゃうんですか?」
「……そうなりますね」
 鋭い視線を木々の隙間に送りつつ、ケンイチは答えた。その腕をスピカが掴む。
「だ、ダメです! 命を奪ってはいけません!」
 スピカの剣幕は激しかった。
「…………」
「他に彼らを退ける方法はないんですか?」
「……やつらは火を嫌いますから、たき火をすれば平気ですよ」
「たき火ですね! じゃあそっちにしましょう。わたし、燃えそうな枝を探してきますね」
 スピカはその辺に落ちている枝を拾い始めた。
 しばらくそれを傍観していたケンイチだったが、やがて彼もスピカの手伝いを開始した。

『復讐の幻想曲(ファンタジア)』6(ライトノベル)


 飛空挺が停めてあった場所に向かうケンイチは、窓の外にヴェロシティ号を捉えた。
「もう飛んでましたか……」
「ごめんなさい。わたしの足が遅いから……」
 女の子がシュンとなった時、無線が入る。
『ケンイチくん、こっちから君を確認した。今から一度だけそっちに機体を寄せる。その時に、垂らしてあるハシゴに掴まってくれ』
「はい」
 窓枠に足を乗せるケンイチ。女の子の方を向く。
「ボクにしがみついて下さい。強くですよ」
「えぇっ? ほんとに飛ぶんですかっ?」
「……嫌ならここに置いていきますよ?」
 女の子は下を見て、それからケンイチの顔を見た。
「わたし……行きます!」
 女の子はケンイチの体にしがみついた。
 ヴェロシティ号がこちらに寄ってくる。シェイドの言った通り、機体からハシゴが垂れていた。
 掛け声とともに、ケンイチはハシゴに向かって飛んだ。
 届かない。と女の子は判断したが、風がいい具合に吹き、ケンイチはハシゴを掴むことができた。
『ケンイチくん、危ないっ。後ろだっ!』
 安心したのも束の間、無線から声が響いた。ケンイチがすかさず振り返ると、頬を銃弾がかすめた。銃撃だ。王国の狙撃者がこちらに向けて何発も撃ってきている。
 その一発がハシゴの上部に直撃した。ロープ製のはしごなので、あっさりとちぎれる。
「……え? まさか……」
 青い顔になる女の子。そちらに顔を向けるケンイチ。
「はい。落ちますね」
「そ、そんなあぁぁ~!」
 ケンイチと女の子は、闇の中へと落下していった。
 ケンイチは女の子をしっかりと抱き締め、目を閉じた。

『復讐の幻想曲(ファンタジア)』5(ライトノベル)


 ルーン城三層目の廊下。
「待って下さい!」
 またもケンイチは女の子に行く手を阻まれた。
 ただし、今度の女の子は兵士ではない。水色のドレスに身を包んだ、金髪碧眼の美少女だった。
 構わず、ケンイチは短剣に手を回す。邪魔をするなら倒すという考えだ。
「わたしを助けて下さい!」
 しかし、女の子が言った台詞により、ケンイチの戦意は削がれた。腰に手を回したままの姿勢で、しばし静止する。
「わたしを助けて下さい!」
 小柄な女の子は必死にそう叫ぶ。ケンイチは無表情をわずかに変え、眉間に皺を寄せた。
「あの……一応言っておきますけど、ボクは盗賊ですよ?」
「それでもいいんです! 助けて下さい、お願いします!」
 女の子が頭を下げた。ケンイチの混乱は増す。
 そのまま、二人の間に沈黙が降った。
「姫ぇー!」
 離れた位置から、円火の声が聞こえた。
 それでケンイチは思い出す。円火が探している姫が、水色のドレスを着ているということを。
「あなたは城の者ですよね? 助けて欲しいなら、ボクではなくこの先にいる秋実さんって人に……」
「まどかじゃダメなんです!」
 女の子は顔を上げると、すごい剣幕でケンイチに迫った。
「城の人達じゃダメなんですっ!」
「……よくわかりませんが、ボクは先に行かせてもらいます」
 スルリと女の子の横を抜けるケンイチ。その前に五人の兵士が現れた。
 女の子はとっさに、近くにあった植木の陰に隠れた。
「見つけたぞ、盗賊。覚悟しろ!」
 兵士達は五人同時にケンイチに襲いかかった。
 ため息を吐くケンイチ。
「……ボク、急いでるんですよ!」
 黒いローブがバサリと翻った。腰のホルダーから五本のナイフが飛び出した。短剣よりも小振りのものだ。刀身に小さな穴があいている。
 五本のナイフは兵士達の脚を的確に射抜いた。その後、再び黒いローブの下に戻った。
 兵士達が倒れるのに合わせて、女の子が姿を現す。
「すごい、強いですね!」
 自軍の兵士、つまり味方がやられたというのに、女の子は嬉しそうだった。
「……それじゃ、ボクは行きますので」
 あきれたような眼差しを女の子に向けてから、ケンイチは一歩を踏み出した。
「あ、あの、待ってって……わ! きゃあ!」
 ドシンと、背後ですごい音がした。ケンイチは女の子が転んだのだと判断したが、歩みは止めなかった。振り返りもせず、ただひたすらに歩いていく。
「いたたた……あ! 待って下さいってばあぁぁあっ……!」
 起き上がった女の子がまた転んだようだ。しかも先程よりも盛大な音がした。
 足を止めるケンイチ。
「……えと……だからボクはあなたに構っている……っ!」
 振り向いたケンイチの視界に映ったのは、うつぶせになっている女の子と、さっきの衝撃により倒れそうになっている槍の束だった。壁に無造作に立てかけてあった槍が、鋭い刃を女の子に向けて落下する。
「危ない!」
 ナイフを操る時間はなかった。ケンイチは女の子を抱き、横に飛んだ。
 ガランガランと槍が床に転がる。そのうち何本かは、刃を地面に突き立てていた。
 もう少し遅れていたらと考えると、ケンイチは背筋に寒いものを感じざるを得なかった。小さく息を吐いてから、腕の中の女の子を確認する。
「助けてくれてありがとうございます! やっぱり盗賊さんですね、動きが素早かったですよ」
「…………」
 ケンイチはあきれることしかできなかった。先刻から、どうやらこの女の子は普通の人とは少し違うようだと理解する。
「あ!」
 自分の変な発言に気づいたのか、女の子が可愛らしい声を上げた。ケンイチの顔をのぞき込む。
「盗賊さん、怪我ありませんでしたか?」
「…………」
 ケンイチはがっくりと肩を落とした。ただ脱力しただけなのだが、女の子はそれをケンイチが怪我を痛がっていると判断したようだ。まんまるの目をさらに丸くし、ケンイチの肩を掴んだ。
「だ、大丈夫ですか? 助けを呼ばないとっ。誰か! 誰かき……むぐっ!」
 騒ぎ出す女の子の口を、ケンイチは片手で塞いだ。それから彼女を立たせてやり、自分も立ち上がる。
「とにかく、ボクは行きます。あなたはそこでおとなしくしてて下さい。そうすればさっきの女剣士さんが助けてくれますよ」
 女の子の返事を待たず、ケンイチは駆け出した。
「待って下さい!」
 女の子の叫びにも動じない。どんどん距離を離していく。
「ま、待って……うわぁ!」
 また女の子が転んだようだが、止まらない。
「行かないで……行かな……置いてかないでっ!」
「っ!」
 ケンイチは急停止した。振り返ることはまだしない。
「わたしを置いていかないで! 連れていって!」
(ボクを置いてかないで! 連れていってよ!)
 女の子の声に重なる声が、ケンイチの脳内に響く。
「お願いします! 行かないで下さい!」
(お願い! 行かないで!)
 ケンイチが振り向くと、すでに女の子が近くまで来ていた。その姿が、小さな少年とダブる。
「っ!」
 ケンイチは思わず目を逸らしていた。
 その時だ。
『ケンイチくん、聞こえるかいっ?』
 左手首につけている無線から声が響いた。シェイドのものだ。かなり緊迫した様子に、ケンイチは顔をしかめる。
「はい、聞こえます」
『そうか、無事でよかった。いきなりだけど、逃げるよ。すぐ船に戻ってきてくれ!』
「え? は、はい……」
『僕達はもう船の近くに来てる。着き次第飛び立つから、急いでくれ!』
「……わかりました」
 爆音とともに無線は終わった。
「…………」
 進もうとしていた先を、しばし睨むケンイチ。一瞬だけ顔を歪めてから、来た道を引き返し始めた。
 その手を女の子が掴む。
「わたしも一緒に行かせて下さい! 城の外に出たいんです!」
「まだ言ってるんですか? そんな場合じゃ……」
「お願いしますっ……!」
「!」
 女の子は泣いていた。大きな瞳にいっぱいの涙を溜め、痛みを伴うほどケンイチの腕を握り締めている。
「……もう、なんなんですか……」
 頭をかいてから、ケンイチは女の子の手を握り返した。
「外に出るまでですよ? では、しっかりついてきて下さいよ。ボクの手を離さないように」
「う、うん」
 戸惑いながらも、女の子はしっかりとケンイチの手を握った。それを確認してから、ケンイチは走り出した。

『かくれんぼ』(四コマ小説)

 1
 夏の夕暮れ時、幽霊が出ると噂の空き地に、四人の男女がいる。見た目から推察するに、小学六年生程度だろう。
 四人は肝試しも兼ねて、その空き地でかくれんぼをすることにした。
 オニになった加奈子(かなこ)以外の三人が、空き地に広がった。

 2
 目を瞑った加奈子が『もういいかい?』と訊くと、『まぁだだよ』という二つの声。
 おかしいな、と加奈子は思う。
 三人の声が聞こえるはずなのに、聞こえた声は二つだった。準備ができたのなら、『もういいよ』と言うはずなのに……。

 3
 再び加奈子が『もういいかい?』と言うと、『まぁだだよ』という声は一つになった。
 三度呼びかけた時、ついに声は聞こえなくなった。
 サァと風が吹いた。冷たい風は、加奈子の中に生まれた不安を増幅させる。

 4
 今一度『も……もういいかい?』と尋ねても、応じる声はなく、加奈子は震え上がるような恐怖を感じた。
 『もういいかいっ?』と、泣きそうになりながら声を張り上げた。
「モうイいよ」
 友達の誰の声でもなく、それどころか人間の声とも思えないような低い声が、背後から聞こえた。

おわり
プロフィール
ゆない。と申します。

ゆない。

Author:ゆない。
ゆない。です! 作家を目指してます!

Author:ワキオ
ゆない。と共に作家を目指しています!

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